実務担当者向け

安全運転管理者の業務一覧|8つの法定業務と、記録を効率化する方法

公開日:2026年8月14日 / 最終更新:2026年8月14日

この記事の要点

① 安全運転管理者の業務は8つ。アルコールチェックはそのうちの2つにすぎません。

運転日誌の備え付けと記録も法定業務です。見落とされがちですが、選任されている以上は必須です。

③ 選任義務違反は50万円以下の罰金。2022年10月に大幅に引き上げられました。

目次

  1. 安全運転管理者とは
  2. 8つの法定業務
  3. 選任の要件と届出
  4. 罰則
  5. 実務でつまずく3つのポイント
  6. よくある質問
  7. 出典・参考資料

1. 安全運転管理者とは

一定台数以上の自動車を使用する事業者は、自動車の使用の本拠(事業所等)ごとに、安全な運転に必要な業務を行う者として安全運転管理者を選任しなければなりません。道路交通法に基づく制度です。

いわゆる「白ナンバー」——自社の業務のために自家用車を使う会社が対象で、営業車、社用車、送迎車などを持つ企業の多くが該当します。

対象外になる事業所
運行管理者等を置く自動車運送事業者、第二種貨物利用運送事業者、自家用有償旅客運送事業者の事業所は、この制度の対象外です。これらは別の法律に基づく管理者制度が適用されます。

2. 8つの法定業務

警察庁が示す安全運転管理者等の業務は、次の8つです。

#業務内容
1運転者の状況把握運転者の適性、技能、知識、法令遵守の状況を把握するための措置をとる
2安全運転確保のための運行計画の作成最高速度違反や過積載、過労運転を防ぐ運行計画を作成する
3長距離・夜間運転時の交代要員の配置疲労等により安全運転ができないおそれがある場合に交代運転者を配置する
4異常気象時等の安全確保の措置異常な気象、天災その他の理由で安全確保に支障が生じるおそれがあるとき、必要な指示等を行う
5点呼等による確認と指示点呼等により、過労・病気その他正常な運転ができないおそれの有無を確認し、必要な指示を与える
6酒気帯びの有無の確認目視等で確認するほか、アルコール検知器を用いた確認を実施する
7確認内容の記録・保存と検知器の保持酒気帯び確認の内容を記録して1年間保存し、アルコール検知器を常時有効に保持する
8運転日誌の備え付けと記録/安全運転指導運転日誌を備え付けて運転者に記録させる。あわせて運転者に対する安全運転の指導を行う
アルコールチェックだけが業務ではありません。
義務化の話題が大きかったため、⑥⑦にばかり注目が集まりがちですが、①〜⑤と⑧も等しく法定業務です。特に運転日誌は、備え付けと記録が求められているにもかかわらず、運用されていない事業所が少なくありません。

運転日誌に記録する内容

運転者名、運転の開始・終了の日時、運転距離などを記載できる日誌を備え付け、運転を終了した運転者に記録させることとされています。様式は定められていないため、自社の運用に合わせて作成できます。

3. 選任の要件と届出

選任が必要になる台数

区分台数
乗車定員が11人以上の自動車1台以上
その他の自動車5台以上
大型自動二輪車・普通自動二輪車それぞれ1台を0.5台として計算
副安全運転管理者20台以上40台未満で1人。40台以上は20台を増すごとに1人を追加

判断は会社単位ではなく事業所単位です。本社と営業所がある場合、それぞれで台数を数えます。

資格要件

安全運転管理者副安全運転管理者
年齢20歳以上
(副安全運転管理者が置かれる場合は30歳以上
20歳以上
実務経験運転の管理に関し2年以上運転の管理に関し1年以上

次に該当する人は選任できません(欠格事項)。

届出

安全運転管理者等を選任したときは、選任した日から15日以内に都道府県公安委員会へ届け出なければなりません。届出の窓口は、自動車の使用の本拠の位置を管轄する警察署です。

台数が増えたときは要注意。
事業拡大や拠点新設で車両が増え、気づかないうちに選任義務が発生しているケースがあります。「5台目を導入した時点」「新しい営業所を開設した時点」で必ず確認してください。

4. 罰則

違反の内容罰則
選任義務違反(選任すべき事業所が選任していない)50万円以下の罰金
※ 2022年10月の改正で5万円以下から引き上げ
是正措置命令違反(公安委員会の命令に従わない)50万円以下の罰金
※ 2022年10月の改正で新設
解任命令業務を怠っていると判断された場合、公安委員会が解任を命じることがある

5. 実務でつまずく3つのポイント

① 記録が「あとでまとめて」になる

酒気帯び確認も運転日誌も、記録が求められています。ところが紙の台帳は、その場で書かれず後からまとめて記入されがちです。これでは記録の意味がなく、実態と食い違えば、むしろ会社の説明責任を弱めます。

② 拠点が増えると全体が見えない

選任は事業所単位なので、拠点ごとに管理者がいて、記録も拠点ごとに散らばります。本社が「全社でどこまで実施できているか」を把握できず、抜けに気づけません。

③ 検知器の状態管理が抜ける

「常時有効に保持」には、取扱説明書に基づく使用・管理・保守と、定期的な故障確認が求められます。センサーには寿命があるため、残り使用回数の把握が実務上のポイントになります。

共通する原因は「記録が人手に依存していること」です。
測定した瞬間に、誰が・いつ・どの車で・結果はどうだったかが自動で残り、拠点をまたいで一元的に見られる状態にすれば、①②③はまとめて解消します。

6. よくある質問

Q. 安全運転管理者と運行管理者の違いは?

根拠法と対象が異なります。安全運転管理者は道路交通法に基づき、自家用車を業務に使う事業所(白ナンバー)に置かれます。運行管理者は運送事業関連の法律に基づく国家資格で、緑ナンバーの運送事業者に置かれます。運行管理者等を置く事業所は安全運転管理者制度の対象外です。

Q. 他の業務と兼務できますか?

兼務を禁じる規定はなく、総務や管理部門の担当者が兼務している例が多くあります。ただし法定業務を確実に行える体制であることが前提です。酒気帯び確認は、安全運転管理者が不在などで適切に行えないおそれがある場合、副安全運転管理者やあらかじめ指定した補助者に行わせることができます。

Q. 運転日誌には何を書けばよいですか?

運転者名、運転の開始・終了の日時、運転距離その他必要な事項です。様式の指定はないので、自社の運用に合わせて作成できます。

Q. 選任後に必要な手続きは?

選任した日から15日以内に都道府県公安委員会へ届け出ます(窓口は管轄警察署)。また、安全運転管理者は公安委員会が行う講習を受けることとされています。

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SafetyStation+ は、アルコールチェック・出庫入庫・運転日報・車両予約を1つにまとめた車両運行管理システムです。検知器とスマホをBluetoothで連携し、測定と同時に記録が残ります。拠点をまたいだ管理画面で、全社の実施状況をそのまま確認できます。

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出典・参考資料

※ 本記事は上記の公的資料をもとに、実務担当者向けにわかりやすく整理したものです。制度の運用は改正される場合があります。最新の情報や個別の判断については、警察庁および各都道府県警察の公表資料、または自動車の使用の本拠を管轄する警察署にご確認ください。本記事は個別の事案についての法的助言を目的とするものではありません。